結果報告(映画編その3)
さらに3日(月・祝)は、
とにかく脚本の中島かずきがいい仕事をしている。歌舞伎さながらの大見得を切る場面や口上台詞、本編を作るスタッフも声優陣もテンションMAXで挑んでいるのがわかる。またオーソドックスなピカレスクロマン的な展開にのって、主人公は悩んだり落ち込んだりするんだけれど、苦境を乗り越え立ち上がっていく様が、徹底した身体性への回帰へと結びつけられていて、そのあたりが同じGAINAX製の「エヴァ」とはキレイな対比になっていると思いました。一応2部作とうことですが、「螺巌篇」は螺旋王との対決で終わらせておけば、それで全て丸く納まるのではないかと思いました。(アンチスパイラルとの話も好きですが。)
続いてジョン・ウーの「レッドクリフ」。いつのまにか2部作になっていてビックリですが、昔と変わらぬジョン・ウーを堪能。というか、ハリウッドで小さくなっていたウーが元に戻った感じ。
ただ残念なことにジョン・ウー節全開ながら、それがあまり面白くない。っていうか少しクドい。長ーいスローモーションや繰り返される場面など、昔は楽しかったはずの場面展開が重い。やはり年をとると油ギトギトの中華料理は胃にもたれるということか。
それとジョン・ウーは、思いのほかモブシーン(画面に沢山人が出て動き回ってシーンね)がヘタ。緊張感が無い上に、何をしているのがわかりにくい。前半で言えば趙雲や関羽(後半は周瑜や甘興など)の1対多の戦闘シーンが非常に良い出来なだけに残念。見得を切って超人のように活躍する各武将の姿はカッコ良かったです。(それにしても趙雲スゴすぎ。)
僕は三国志はあまり詳しくないのでよくわからないのですが、全体的には孔明と周瑜の話。
周瑜役がトニー・レオンだけに主人公が彼というのは仕方が無いかとも思いますが、相手役が孔明の金城武だけにいろんな方面に向けてのサービスかとも思いました。金城武の孔明はちょっと年が若すぎるようにも見えましたが、結構良かったと思います。というか、この映画で最も美味しい役だと思いました。
あと女性が添え物のなのはいつものことなんですが、周瑜と奥さんとの絡みがこれ見よがしな上に、琴でリフ対決する周瑜と孔明の方が時間的にタップリなのはどうかと思いました。
その点、ヴィッキー・チャオ演じる孫権の妹のお転婆ツンデレ姫は良くできたキャラだと思いました。(ある種の属性を持った大きなお友達にたまらんだろうし。)それと劉備が本当にヘタレの農民上がりだったり、曹操がやっぱり嫌なヤツだったりするとこなんかが、同じアジアの人間として非常にわかりやすかったです。
合戦シーンにCGを大胆に投入するなどハリウッド帰りを垣間見せる部分もあり、なかなか楽しめる要素がいろいろとあるんですが、やはり5時間超は長いのではないかと。後半(赤壁のメイン)が少し心配になるのも事実。
それといちいちキャラ名や場所の字幕を入れるのは、親切のつもりでしょうが、鬱陶しいだけなので次回からは止めてください。
最後は「ブーリン家の姉妹」。重厚な歴史劇というよりはハリウッド俳優によるお金のかかった大河ドラマ。内容的には「エリザベス」エピソード0というべきもので、エリザベス1世のお母さんのお話。ブーリン家の長女、聡明にして野心的なアンを最近時代劇づいているナタリー・ポートマン。その妹にして可憐で純真なメアリーにスカーレット・ヨハンソンという2大女優の共演。
女好きでやりたい放題の英国王ヘンリー8世のエリック・バナ。宮廷内の勢力拡大のために姪っ子と姉夫婦を利用する野心家のノーフォーク卿をデヴィッド・モリッシー、苦悩する姉妹の母エリザベスにクリスティン・スコット・トーマス(久しぶりに観たけど相変わらず美しい)、姉妹思いの弟にジム・スタージェスと新旧取り混ぜた重厚な布陣。
基本的には昼メロなドラマ展開を眺めていればいいんですが、俳優陣の演技は非常に見応えあり。ただし、今回のナタリー・ポートマンは、生来の自己チューで身の程知らずの野心を抱くアン役を決して上手くこなしているとは言えず。もう少し内面から滲み出る人間性を表現出来ていたらよかったと思います。
それでも、事前に「エリザベス」2作を観ている人には、そこまでのお話を理解する意味でも面白いと思いますので、イギリスの歴史を楽に勉強する(正確かどうかは置いといて)にはちょうどいいのではないでしょうか。
- 「劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮編」(2回目)
- 「レッドクリフ part1」
- 「ブーリン家の姉妹」
とにかく脚本の中島かずきがいい仕事をしている。歌舞伎さながらの大見得を切る場面や口上台詞、本編を作るスタッフも声優陣もテンションMAXで挑んでいるのがわかる。またオーソドックスなピカレスクロマン的な展開にのって、主人公は悩んだり落ち込んだりするんだけれど、苦境を乗り越え立ち上がっていく様が、徹底した身体性への回帰へと結びつけられていて、そのあたりが同じGAINAX製の「エヴァ」とはキレイな対比になっていると思いました。一応2部作とうことですが、「螺巌篇」は螺旋王との対決で終わらせておけば、それで全て丸く納まるのではないかと思いました。(アンチスパイラルとの話も好きですが。)
続いてジョン・ウーの「レッドクリフ」。いつのまにか2部作になっていてビックリですが、昔と変わらぬジョン・ウーを堪能。というか、ハリウッドで小さくなっていたウーが元に戻った感じ。
ただ残念なことにジョン・ウー節全開ながら、それがあまり面白くない。っていうか少しクドい。長ーいスローモーションや繰り返される場面など、昔は楽しかったはずの場面展開が重い。やはり年をとると油ギトギトの中華料理は胃にもたれるということか。
それとジョン・ウーは、思いのほかモブシーン(画面に沢山人が出て動き回ってシーンね)がヘタ。緊張感が無い上に、何をしているのがわかりにくい。前半で言えば趙雲や関羽(後半は周瑜や甘興など)の1対多の戦闘シーンが非常に良い出来なだけに残念。見得を切って超人のように活躍する各武将の姿はカッコ良かったです。(それにしても趙雲スゴすぎ。)
僕は三国志はあまり詳しくないのでよくわからないのですが、全体的には孔明と周瑜の話。
周瑜役がトニー・レオンだけに主人公が彼というのは仕方が無いかとも思いますが、相手役が孔明の金城武だけにいろんな方面に向けてのサービスかとも思いました。金城武の孔明はちょっと年が若すぎるようにも見えましたが、結構良かったと思います。というか、この映画で最も美味しい役だと思いました。
あと女性が添え物のなのはいつものことなんですが、周瑜と奥さんとの絡みがこれ見よがしな上に、琴でリフ対決する周瑜と孔明の方が時間的にタップリなのはどうかと思いました。
その点、ヴィッキー・チャオ演じる孫権の妹のお転婆ツンデレ姫は良くできたキャラだと思いました。(ある種の属性を持った大きなお友達にたまらんだろうし。)それと劉備が本当にヘタレの農民上がりだったり、曹操がやっぱり嫌なヤツだったりするとこなんかが、同じアジアの人間として非常にわかりやすかったです。
合戦シーンにCGを大胆に投入するなどハリウッド帰りを垣間見せる部分もあり、なかなか楽しめる要素がいろいろとあるんですが、やはり5時間超は長いのではないかと。後半(赤壁のメイン)が少し心配になるのも事実。
それといちいちキャラ名や場所の字幕を入れるのは、親切のつもりでしょうが、鬱陶しいだけなので次回からは止めてください。
最後は「ブーリン家の姉妹」。重厚な歴史劇というよりはハリウッド俳優によるお金のかかった大河ドラマ。内容的には「エリザベス」エピソード0というべきもので、エリザベス1世のお母さんのお話。ブーリン家の長女、聡明にして野心的なアンを最近時代劇づいているナタリー・ポートマン。その妹にして可憐で純真なメアリーにスカーレット・ヨハンソンという2大女優の共演。
女好きでやりたい放題の英国王ヘンリー8世のエリック・バナ。宮廷内の勢力拡大のために姪っ子と姉夫婦を利用する野心家のノーフォーク卿をデヴィッド・モリッシー、苦悩する姉妹の母エリザベスにクリスティン・スコット・トーマス(久しぶりに観たけど相変わらず美しい)、姉妹思いの弟にジム・スタージェスと新旧取り混ぜた重厚な布陣。
基本的には昼メロなドラマ展開を眺めていればいいんですが、俳優陣の演技は非常に見応えあり。ただし、今回のナタリー・ポートマンは、生来の自己チューで身の程知らずの野心を抱くアン役を決して上手くこなしているとは言えず。もう少し内面から滲み出る人間性を表現出来ていたらよかったと思います。
それでも、事前に「エリザベス」2作を観ている人には、そこまでのお話を理解する意味でも面白いと思いますので、イギリスの歴史を楽に勉強する(正確かどうかは置いといて)にはちょうどいいのではないでしょうか。
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