ついに完結、三部作

 49本目、「牡牛座 レーニンの肖像」。

 すげえ感想が書きにくい、だってほとんど寝ていた可能性が高いから。
 ソクーロフの20世紀の偉人3部作の最後の1本。(日本での公開は)革命後、ソ連を立ち上げながらも、実権はすでになく、病を患い、死に怯えながら、山荘で生活する偉大な革命家レーニンについてのソクーロフなりの解釈。
 他の二人と同様に、偉大な人間を普通の人に解体するという点では今回も共通している。
 でも、今までの2本に比べて、実は一番容赦のない内容かもしれない。よく覚えていないのでいけないのだけれど、
ユーモアというか、暖かい目線は少なめ。最後に置いてきぼりにされたレーニンが、一人森の中で空を仰ぐ様は寒々しく、悲しい。
 ヒトラーヒロヒトとは違って、彼は何者にも抱かれることなく映画が終わるのが印象的。
 映画全体のトーンが、霞の中というか、夢の中のよう。緑色に霞む世界の中で、人間的な営みが映し出される。
 レーニン自体やソクーロフの作品に興味が無い人には少しキツい内容なので、日本人的には「太陽」をお薦めします。
太陽 [DVD]

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