結果報告(11月14日)
- 「チチカット・フォーリーズ」
- 「エッセネ派」
- 「州議会」
まずは1本目の「チチカット・フォーリーズ」なんですが、これがとんでもない代物。60年代のアメリカに実在した精神疾患を患った囚人を収容する施設を追っかけたドキュメンタリー。ワイズマンのデビュー作であると同時に、長い間上映禁止だったという曰く付きの作品。
今年は日本人監督の が撮った「精神」という作品も観たんですが、ちょっと完成度が違うので、比べるのは気の毒。今までも何本かのワイズマン作品を観てきたんですが、原点となる作品においても事実をしっかりと押さえた(ように観える)上で、画づらが面白かったり、構成がエンターテイメントしてたりと、映画としても完成度が高い。この時点では100分ぐらいで作品を仕上げていたので、最近の作品はちょっと饒舌なのかなと思いますが、出発の時点でこの完成度はスゴい。機会があれば多くに人が見るべく1本。
続いての「エッセネ派」は、1本目よりはちょっとおちる。内容が現代アメリカのキリスト教コミュニティーの話なので、あまり興味が続かない。その上、ちょっと儀式的な人間の交流場面が続くので、類型的で少し深みが無いかなと思う。モノクロのシャープな映像は相変わらずステキな出来上がりなので、興味があればどうぞといった感じ。
3本目は最近の作品で、アメリカの州議会を追った1本。3時間超の大作ながら「エッセネ派」より面白い。ちょうど政権交代もあって政治の季節がやってきている日本でも、多くの大人が見るべき作品。元々民主主義はヨーロッパで始まったものですが、アメリカで進化したという実状や地方自治のあり方の違いなど、(アメリカ)政治に興味がある場合は必見の作品。作品冒頭で、高校生相手に地方自治とは何かを語る州議会議長の姿が印象的。長いけどガンバって観ましょう。
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