「結果報告(3月14日)」
- 「ヤッターマン」
- 「ドラえもん/新・のび太の宇宙開拓史」
- 「チェンジリング」(2回目)
懐かしいネタを扱った2本と2回目が1本。
「チェンジリング」に関しては今回もあまり言うことなし。良質な脚本と的確な演出。若干大き過ぎる主演女優の演技すら、味として見せてしまう手腕に脱帽。寒々しい結末の中、ほんの一瞬花開く「希望」というラストが心地よいが、事件によって一人取り残されたしまった女性の話でもある。これを救いととるどうかは、鑑賞する側に感性にゆだねられている。それにしても中盤の牧場捜索に始まる一連のシークエンスは素晴らしい。下手なホラーより怖いし。
で、「ヤッターマン」と「ドラえもん」ですが、あらゆる意味で対照的な2本。
「ドラえもん」については、フィルム自体は良くできていて面白いことは面白いんですが、ただただ丁寧に原作を再現することに終始していて、後半に行けば行くほどドラマとしての密度が下がっていくのが問題。(僕の周りにいた子供は後半で完全に飽きていた。)昔読んだ・観た「宇宙開拓史」はもっとエモーショナルな一品であったはずだし、最後の別れがもっと切なかったはずだと思う。初期の原作を思わせる作画と色設定は、昭和のアニメに慣れ親しんだ世代としては心地よいが、結局そうまでして先祖帰りをしている意図は明確にならず。何か意味があるかと思いきやそうでもないので、この辺にもう少し先鋭的(映画的)な何かを期待したいところ。それにしても、のび太の手が異常にデカイ前半はそればっかりが気になった。
新キャストの声優陣(主要キャラ変更後は初めて。)ががんばっている。特にジャイアンについては前任者以上のハマり具合だと思う。ゲスト枠では、香理奈はギリギリ合格点、アヤカ・ウィルソンは台詞回し(滑舌)からやり直し。お笑い枠に関してはエンドロールまでその存在に気付かず。一番の収穫は「ドラミちゃん」の千秋。「ヤッターマン」より客の入りが悪かったのが印象に残った。
最後は「ヤッターマン」。結論から先に言えば、全然面白くなかった。
土曜日の午後からの回の鑑賞ということもあり、まわりは子供ないしは子供連れのファミリーばかり。(僕の隣りは両方とも小学生低学年以下の子供)この状況で、あの内容の映画をガチに楽しむのは不可能。冒頭から飛ばしまくりの展開には劇場全体がノリノリでついていっていたのだが、中盤のヤッターワンの件では完全に客が引いていく。1号がヒロインのモモをチューチューしたぐらいからそんな空気。お子様連れのお父さん、お母さんたちには合掌。でも、時折あがる下品な(わかっている)大人の笑い声。「2号さん」のネタに至っては子供は完全に置いてきぼりでした。
笑いのポイントがほぼ下ネタと言うのは三池映画として考えれば当然なんだけど、結局それを「ヤッターマン」でやる必要はあったのか。アニメ界出身の脚本家十川誠志は今回もストーリーを構成することができていないが、それ以上にお話を語るつもりが無い演出家が、「タツノコ的なヒーローものの世界」をザクザクと蹂躙していきます。
この映画観て気付いたのが、自分は意外と「ヤッターマン」好きだったということ。放送当時結構真剣にこのシリーズを観ていた世代からすると、今作はかなり辛い。三池崇史監督は好きな監督なので余計残念。ということで、もう少しまとまったら続きを書きます。(今度は大人しかいない時間帯で観てみるか。)
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