結局みんなベタが好き!!(つづき)

 テントに戻って状態を確認。雨が止んでよかったといった感じ。濡れた衣服を干しながら、エゾと言えば「怒髪天」に向かうか本気で考える。するとそこへ、
  • 聞こえてきた「エマーソン北村」を観るため今年初めてのボヘミアン・ガーデンへ。初めて観るエマーソン、レイ・ハラカミみたい(笑)。ハラカミさんより柔らかい音。噂の隣に立っているだけの正装のおじさんに感心。キーボードを巧みに操り、シャボン玉の間を音が漂う。朝一(時間的には昼だけど)にぴったりの音と雰囲気。明るい時間だが酒が欲しくなる。あとどうでもいいことだが、一杯やりながら葉巻を燻らす巨漢を発見。ホンキで珍しいが、浮き上がっていないのが不思議(どうやら関係者らしい)。
  • 気分が良くなって(「怒髪天」のことはわすれて)レッドへ。回数的にはよく観ている方の「ボアダムス」はやめて、初めての「Double Famous」。僕の住んでる東海地方ではまずお目にかかれないアーティストということもあって観たんわけど、これが大正解。ジャズ、ラテン、サンバ、サルサといった音楽が会場にピッタリ。その上メインボーカルの畠山美由紀の神々しいこと。エゾでもソロでは観たことがあったあったんだけど、バンドとの相性も抜群。ジャニスやストーンズ越路吹雪(”オー・パパ”は良い歌でした)などのカバーを交えながらの約1時間。その上畠山女史の色っぽいこと。強い風にあおられて開けるワンピースの裾(モモチラがたまらん!!)、セクシーなダンス(一緒に踊っていたパーカスのオネーさんもたまらんかった)と意外とアクティブなステージ。大人の女の色気が全開で、とっても幸せな光景。もう他に何もいらん感じ。
  • お腹いっぱいになったところで、一応「ボアダムス」へ。ラスト1曲を演奏中。ビールを仕入れてアーステントへ。途中「ゴンチチ」でまったりの人の群れを抜け、ビッケの熱いMC全開のソウルセットをやり過ごす。サンのビーグルは佳境をむかえていて、増子兄(怒髪天)がゲストで登場、周囲で駆け出す人多し。そして遥か会場の端へ、そこで待つは「凛として時雨」。
  • これも初めての「凛として時雨」。噂のハイトーンツインボーカルよりもドラムが良い。3人編成にしては音も太くて気持ちいい。速くない曲もあるのかと感心。酒と食い物を少し補給。
  • 凛として時雨」への移動中、レッドとサンの中間にある橋でYOUを目撃。今年初めての有名人、小柄だがおしゃれで綺麗なのはTVのまま。昨日「クラブキングショー」を観そこねたので少し得した気分。
  • アースを後にして再びレッドへ、「Youji Ohno Lupintic Five」。アレンジが完全にジャズなのでTVとは似ても似つかぬことに。そのせいかルパンやってると気付かない人が多い。演奏はしっかり、MCはgdgd。メンバー紹介は二回連呼が基本。この日はカリ城の”炎のおくりもの”が個人的にツボでした。
  • それなりに急いでサンステ「Mr.Children」へ、完全にネタの一つとして観ることに。アースの「銀杏BOYZ」が響いている。遠くても峯田氏の声は熱い。やっぱり人でいっぱい。始まる演奏、スクリーンに大写しになった桜井氏はのっけから熱くてハイテンション。いきなり知らない曲からだが、隣にいた若い子はしっかり合唱状態なので、ファンにはわかる曲なのでしょう。演奏は安定感たっぷり、冷静にキーボードに向かう小林Pが印象的。桜井氏は増々ヒートアップ、一人で上がっていく。新曲が3曲ほど続いた時点で観客がはっきりと引いてきているのがわかる。エゾの客が求めているのはこれではない、でもアーティストはそうしたい、その辺りの齟齬は結局埋まらないと感じたので退散。ミスチルの姿勢は完全にRockだったけど(己を貫くという意味で)、お祭りとしてのフェスとしてはどうか。そうしたいのなら客をねじ伏せるような何かを表現してみせないと、この時のような上滑りを起こすのではないか。(以前観た井上陽水のように客の意識を持っていってしまうような何かがないと主催イベント以外では辛いと思いました。)
  • またまたレッド、「Sherbets」。いつものベンジー、安心感からか座ったら眠くなる。この後どちらにするかまだ悩んでいる。演奏はあっという間に終わった気がする。個人的にはあくまでもロザリオスのための準備。それでいいのかとも思う。確かこの時だったと思うけど、レッド前を横切る増子兄ぃを近くの若い子が発見。案の定捕まる増子兄ぃは全く当たり前のように写真や握手に応じている。噂通りの人だ(顔は真っ赤だったし、完全にできあがっている模様)、面白い顔を連発しながら写真に納まる姿がかわいらしい。ホント怒髪天のライブに行きます。
  • 悩んだ末結局ムーンへ。ハラカミ終わりの多くの人とすれ違う(結構人気がある)。後ろで花火があがる、忘れず撮影。エゾ名物微妙なタイミングで上がる花火は今年も健在。
  • どこかで「椎名林檎」に後ろ髪引かれながら「Boom Boom Satellites」。初めてムーンの深部へ、それまで今年は音が小さいなあと思っていたムーンの印象が変わる。今年のツアーと同じような内容で上がる上がる。”Easy action”、"dive For You"のアレンジが少し変わっていて余計と上がる。("dive For You"がロングバージョンなのがいい)たっぷり踊れたので林檎はどこかへ。終了後、人を掻き分けサンステージへ。
  • そして久しぶりの『ZAZEN BOYS』。昨年(?)に引き続きサンステージ。林檎やミスチルに比べるべくもなく人が少ない。でも時間帯がいいせいか思ったより人がいる。(途中のレッドは「エゴラッピン」待ちの人でスゴい状態だった。)いつも通りのMATSURISTUDIOな煽りから演奏スタート。相変わらすのパキパキした演奏、新しいベース吉田一郎氏との絡みもしっくり。ほとんど隙のない演奏から、シンセを中心にした新曲、新アレンジの曲に。何年か前から向井氏はシンセにハマっていて、ライブでも積極的に導入。これまでもツアーで実験or遊び的な使い方していたけど、「あんまり良くわからん」という印象。それがこの日のライブは完全に違っていて、4thアルバムに発売を控えて、これまでしてきた新しいことが完全に形になったと思いました。”本能寺”からの3〜4曲ぐらいの中盤がこれからのZAZENの方向性であることは間違いなく、それがROVOなんかにも通じるダンス系の浮遊感、それまでのロックのグルーブときれいに融合していました。この先10年はついていけると確信。Stop&Go、清志郎先輩への言及とMCも隙なし。でかいステージ、沢山の客を相手にしても変わらぬ存在感。お腹いっぱい!
  • 急いでレッドへ。またしてもサン方向へ向かう大量の人の列にぶつかる。皆どこへ行くのだろう。今年はこういう場面が多いせいか、自分が音楽的にスゴくマイノリティーじゃないかと不安になる。
  • で、問題の「LOSALIOS」。エゴのせいか少し遅れ気味、リハから達也氏登場。エゾは開演前から本人を観れる機会が多い。達也、加藤チャーハン、トキエさん、アイゴンの4人でスタート。その後タブゾンビ、勝井さんが参加。久しぶりのロザリオスがうれしい。演奏は何の心配もなし、思いのほかアイゴンがしっかりギターを弾いてた気がする。VJありなのは、「TWIN TAIL」がらみで豊田監督であろうか、スゴくカッコいい。一通り終わった段階でスペシャルゲストベンジーが登場。一気に上がる会場、まずはインスト曲(ロザリオスの曲)、その後”サリンジャー”、”ガソリンの揺れ方”。異常な盛り上がりのなかで、やっぱり合唱してしまう。2曲ともベンジーのソロ活動ではよくやっている曲だが、ドラムが達也氏であるだけで何かが違うのだ。それを痛感。でも、ロザリオスのライブでブランキーの曲はいろんな意味で反則(厳し目の意見としてはやってもやらなくてもいいこと)。フェス用のファンサービスとしては「ありがとうございました」と素直に感謝。最後は6人に戻って、ガチのロザリオス。トキエさんのミニスカが夜なのに眩しい。
  • 遅めの夕食を仕入れる。サン方向から「ゆらゆら帝国」が聞こえる。行きたいが今更行けない。この後はグリーンへ。
  • グリーンの「椎名純平」。初めてのライブ、それなりにいる人々。でも横になる人多し。自分も外側に腰掛けて食事をとりながらゆったり。バンドスタイル(今年の夏かららしい)でギターは「マボロシバタ犬)」竹内。メローなフレーズが流れる。結局観れたのは5曲ぐらいだったけど、やさしく人懐っこいキャラの純平氏のMCが微笑ましい。「白昼夢」を生で聞けたので最高にいい気分。
  • レッドへ帰還。すぐに始まる「ROVO」。先月名古屋で観たばかり、その時とほとんど同じ内容ながら上がる上がる。夜の北海道に響き渡る人力トランス。圧倒的な演奏とハッピーな空間、客とアーティストとの一体感がビリビリくる。観客が少ないのがほんとうに惜しい、みんなこれを観ればいいのに。余裕で1時間オーバーの演奏、その上アンコールが2曲。うれしすぎるが「サニーデイ・サービス」が気になる。でも離れられないので最後まで。本当にハッピー。
  • ROVO』がかなり押したので急いでサンへ。再結成の「サニーデイ・サービス」。遠くから”恋におちたら”が聞こえる(どうやらこれは2曲目。1曲目は”Baby Blue”だったらしい)。自然と足が動く、急ぐ急ぐ。なんとかサンの中央近くへ。曲が始まるとまたしても歌ってしまう。曽我部のソロ活動でもやってる曲はたくさんあるけど、やっぱりサニーデイになると何かが違う(ロザリオスの時と同じ)。ゆっくりと落ち着いている以上に、曲の本来の姿を垣間みた感じ。”ここで逢いましょう”で一瞬曽我部がニール・ヤングに見える。BAND名義の時のような走った感じが無いのに、どっしりとしたRock。押し付けがましくなく、それでいて客を圧倒する。8年ぶりとは思えない一体感、すばらしい再結成。”白い恋人”、”旅の手帳”、”週末”、”サマーソルジャー”、唱って唱って1時間。最後の”コーヒーと恋愛”の頃には白み始める東の空。個人的に今年のエゾはここで終了。
 長かった2日目。(この文章も)とりあえず今日はここまで。でも明日以降もう少し続ける予定。