結果報告(11月22日)

 やっぱりもう一度観ておかなければと行ってきました、この映画。 オチを知ってから細部を確認するために鑑賞。普通の観客(ウォンビン目当て)の人は少なめになってましたが、場内の嫌な感じは変わらず。細部を確認するように鑑賞すると、脚本の構成の緻密さに感心。加えてポン・ジュノの的確な演出に唸る。
 「記憶」、「時間」、「関係性」の物語は、「母子」という特定の関係性を越えて、韓国の地方(田舎)に厳然と存在する閉塞感や生きにくさを表出する。その意味では「殺人の追憶」と地続きな作品。
 トジュンはある意味狂っているが、それが故「最もまともな人間」と言える。同じようにジンテ(カッコ良く美味しい役どころ)はアウトローであるが故に「悪」を体現するキャラであるのだが、同時に「最も賢い人間」である。貧困の中で全てを背負って生きる女子高生は最後まで踏みにじられる訳だが、それ故に「最も純粋な存在」である。
 問題の携帯電話が米びつから出てくる場面はホラー映画のよう。暴力的な場面より本気で怖い。