オルークの思い出
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何年かたって、再びソニック・ユースの来日公演(たぶんラザー・リップトが出た後)に行ったとき、オルークの姿はステージにはなかった。 結局アンコールでステージにあがったので、そのときはまだ辞めてないみたいだった。 サーストンのMCに紹介されて現れたオルークは、以前の公演で見た時とほとんど変わっていない感じがしたけど、演奏は前回より自由度が増していて、 バンドにも馴染んだ感じだった。
前置きはこれぐらい。
実はその時一番印象に残っているのは、ライブが始まる前のできごとだった。(できごとというほどのものではないが。)
その日は、ステージ向かいにある一段高い観覧スペースに、DJのセットが組まれていて(PAの隣ぐらい)、ライブ前に一人の目立たない白人男性がプレイしていた。
誰かの曲(レコード)を流しながらつないでいるわけでなく、インストもののトラックがフニャフニャと流れて、一見して何がしたいのかわからない。
僕の周りにいた客の多くは、その音にはあまり興味が無く、一緒にきた人たちと談笑している。
そのうち、そのフニャフニャしたトラックにリズムがかぶるようになると、なんともいえない気持ちよさが加わった感じがした。 ギターや鍵盤の音が無秩序に並んでるようにみえて、それが次第にメロディーとして響いてくるさまは不思議だったけど、すごーくいい感じがした。
自分としては、だんだんその音楽が耳になじんでくきて、ボリュームが自然に大きくなり、踊れてしまう訳では無いけど、体がゆれる感じがした。
そのとき、近くにいた若い子が一言つぶやいた。
「なんだこれ、わけわかんねぇ。」
連れの子もそれに同意して、くすくすと笑っている。たぶんこの子達は、ライブで開演前に流れる曲は、知っている曲の方がいいのだろう。
なんかそれって損してねぇって心の中でつぶやきながら、ふたたびDJブースを見ると、先ほどと同じ白人さんがプレイを続けていた。
二度目に見た彼の姿に、僕はさっきとは違った既視感をおぼえた。
まあ、ネタをばらせば、それがオルーク本人で、そのことに気づいたのが、先ほどのアンコールの時だったんだけど、そこで僕は少し情けない気分になった。 オルークのDJ自体はひょっとするとあまり珍しいことではにかもしれないけど、それをあんな風に中途半端に聞き流していたことに気づいたからだ。
でも、やっぱり面白いものを作っている人は、何気ないことでも人に気持ちに何かを引っ掛けることができるという点では、さすがオルークを感心したしだいです。
あぁ〜、思いつきで書くとまとまらねえ、まとまらねえ。おわり!!
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